おはようございます。
またまた間があいてしまいました。
この間の土曜日、いつものようにラジオを聴きながら作業をしていると、朝一番に悲痛なニュースが入ってきて(福岡県の飯塚市の県営住宅や鹿児島のホテルで子供の遺体がみつかったという)、それを聞いてから、ワタクシは心臓がドキドキするような感じがして、その後、いつものようにお店を開けて、忙しく立ち働いて、そしてお客さまと楽しくお話も出来て、それはそれは良い「土曜日開店 木ノ口かたし」の一日であったにもかかわらず、心の一部というか、体の一部が冷たく固まったままのような感じがしていました。
とても辛い話を聞くと、人間の心身というのは、そのような反応を起こすものなのかもしれません。
ワタクシは自分の経験上、とりわけ母親がいない子供の寂しさ、とか悲しみ、というのが身に沁みているので、このような話は本当に辛く、もっとどうにかできなかったのだろうか、なんとかならなかったのだろうか、といつまでも考えてしまうのでした。
朝から暗い話をしてしまいましてスミマセン。
でも、今の日本の社会の「全体的に冷たい感じ」というのを、象徴しているような事件だとワタクシは思いました。
そのニュースを聞く前の4時台のインタビューというのがが、前にも書きましたように俳優の水谷豊氏の後編であったのですが、その時に水谷氏が語ったことも印象的でした。水谷氏が18歳の時のこと、本当はアメリカに行きたかったのに、親に反対されて行けなくて、それで大学受験したけれど、それも失敗し、大きな挫折感の中、家出をしたことがあった、というお話。
家を飛び出した水谷少年が、夜通し歩いて山を越え、明け方も道を歩いていたら、釣りに行くオジサンが車で通りかかったとのこと。そのオジサンが、「ヒマだったら釣りに付き合わないか」と言って、車に乗せて釣りの場所まで連れて行ってくれて、夜通し歩いていた水谷少年は、オジサンが釣りをしている間中ずっと寝ていたそうです。
そして、なんだかんだでその日は、そのオジサンが自分の家に連れて行き、晩ごはんを食べさせてくれて、泊めてくれ、朝ごはんも食べさせてくれて、別れ際に水谷少年に2000円をくれた、というのです。
そのお金で少年は友達の家まで行き、泊めてもらったりして、パチンコに行ったところが、それがなんとビギナーズラックというヤツなのか、オジサンに貰ったお金が何万円かに(だったかな?とにかく何倍にも)増えて、それでまた次の場所に行って、2か月くらい過ごして(その時もどこかのお店に住み込んで働いたとかいうことでしたが、それはインタビューでは話す時間がなかったので詳しくは聞いてませんが)家に戻った、ということなのでした。
今、立派な俳優さんになっている水谷氏がしみじみと仰ったことは「あの時、あのオジサンに出会わなかったら、自分はどうなっていたんだろう」というようなことでした。
ホントにね、ワタクシにも覚えがありますが、今、生き伸びているヒトビトには、大なり小なりそのような経験があって(ひょっとして気付いてない場合でも)、誰かに、何かに助けられて今、生きている、というのは確かなことではないでしょうか。
そのお話を聞いた後の、あのニュース、ということで、余計に悲しかったのです。
水谷氏は現在、御年68歳ということですから、彼が18歳の少年だった頃、というのはもう50年も前のことで、その頃の日本の方が、今よりまだ人間の体温が感じられるような世界が残っていたのかもしれない、と思います。
利便性や物質的な豊かさと引き換えに、失ったものの大きさ、というのをワタクシたちはよくよく考えて、これから行動していった方が良いのではないか、と、このコロナ禍の中、ますます思います。
それはさておき、この間の「かたしのごはん」は、

・ムツ(魚)の煮つけ&とう立ち白菜のお浸し
・大根の酒(どぶろく)粕付け
・ブロッコリーのオリーブ油炒め
・サツマイモの春巻き
・卵焼き
・卵サラダ
・鶏肉の卵とじ
・大根の皮とチクワとコンニャクのキンピラ
・茶碗蒸し
・白菜とタマネギと人参の味噌汁
・カマド炊き白米&古代米入り玄米
・オレンジピールと胡桃とチョコのケーキ
でした。
先々週の火曜日は、天皇誕生日で休みでしたが、その日、トントンと戸を叩くヒトがいるので出てみると、子供たちがお世話になっている学校の先生が袋を抱えて立っていらっしゃって、「いっぱい釣れたけど、さばききらんけん貰ってくれませんか」と大漁のお魚を頂きまして、それがこのムツの煮つけなのです。柔らかくて、上品なお味でした。
あるいは、ご近所で農業をガンバッテいらっしゃる女性から、「出荷できないけど、もったいなくて」と、これまた大量のブロッコリーを頂いて、「木ノ口かたし」に来て下さるお客さまに無料で配ったり、このように「かたしのごはん」に使わせてもらったり。
本当にありがとうございました。

クリスマスローズのお花も、お客さまにいただきました。

そしてワタクシは、やっと昨日、お雛様を出しました。
このように、なんでもギリギリになってしまう人生を送っておりますワタクシですが、まぁなんとか生きていてヨカッタな、と思います。
だから辛いことがあっても、悲しいことがあっても、皆さまも、なんとか生きていて下さい、と思います。
ではでは皆さまにとっての今日も、良い一日になりますように。