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2015 たねわたしの会 たのしいこと


2週続けて火曜日の朝に島を離れる、という事態になっていたので、3週間ぶりに洗面所の屑カゴの続き。
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縁の巻き始めは、端っこをこれくらい出しておく。すぐ忘れるのでメモ。

縁を巻いたら、今度は底の部分に「かすがい」を入れます。
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まずは左右の外側の骨組みの間を測り、

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「かすがい」にする竹の真ん中にその長さを記して両端を削ります。
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このように。

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最初に2本入れて、再び長さを測ってもう2本作り、
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同じように入れて、完成。
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上等の屑カゴが出来ました。

竹という素材を割ったり削ったりしてカゴを作る、というような単純な作業は、前にも書きましたが本当に精神が「竹を割ったように」スパッとスッキリすることです。そして単純といってもそれは簡単ではなく、実はものすごく深いのです。


連日の出張に際して、図書館にゆっくり行くことが出来ずに、閉館1分前くらいに滑り込んで借りた2冊の本。
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パパッと決めた2冊であったのに、すごく似ていて、どちらも背筋をピシッと伸ばしたくなるような本でした。

村岡花子エッセイの方にこんな文章がありました。
「たのしい新年と言いながら思うことは『たのし』という言葉の持つ意味です。『たのし』は(手伸し)ですが、思い切って手を伸ばした形です。前へ前へと押し進む形です。つまり、たのしいというのは、ただおもしろおかしくふざけ廻ることではなくて、ほんとうは思い切り手を伸ばして力をふるうことであり、そうすればこそ愉快になるのです。」

これを読んだ時、「たのしい」という言葉に微かに感じる違和感が消えてなくなった、と思いました。

竹カゴ作りの「たのしさ」はそういうことだったのか、と納得。

ややこしく面倒なことが多い現代の「お仕事」に、この竹カゴ作りのスッキリ感と「たのしさ」が欲しい、と最近よく思います。




by sanahefuji | 2015-02-10 23:27 | たねわたしの会 | Comments(0)

ここは五島列島福江島。「かたし」とは椿の古い呼び名です。2001年にIターンして就農した私たちが週に一度、土曜日だけやっている直売所&飲食店、ときどき居酒屋(居酒屋は予約制)「かたし」(2016年に「木ノ口かたし」に改名)での出来事、五島の暮らしの日常などなど。日本の端っこで繰り広げられる、ささやかな人生劇場を綴っていきます。


by 山﨑早苗