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大きいヒトと小さいヒト

今日から五月、ゴールデンウイークですね。

しかし、わが家は夫のバイトもずっと普通にあるし、で、普段通りの生活です。

この間「とーちゃん今日仕事?」とサトが聞くので「そうだよ」と答えると「じゃ、サトも仕事だ」と言っていたのが妙に面白かったワタクシです。

つまり、とーちゃんが仕事だと、かーちゃんが夕方鶏小屋仕事をするのに、サトもついて行くから「サトも仕事」というわけです。実際にサトの働きは、夕方の鶏小屋では一人前の仕事をきちんと果たしていて、サトが来てくれるとワタクシは助かるのです。

その辺がさすがは9歳!で、3歳児のコータローとは違うところです。(まったく同じようなことをサトが3歳の終わり頃にも書いてました→誇り高きヒトの芽を摘むなかれ

コータローの場合、あまり出来ることもないので遊ばせておけばいいか、と思っていたら、本人は手伝うつもりも少しはあるらしいので、最後に生ゴミの入っていたバケツを川で洗う時に一番小さいバケツを洗ってもらったら、それが自分の仕事と思ったらしいのです。

ある時うっかり、その小さなバケツをサトが洗ってしまったら、「コータがあらう」と言って泣き出したので、慌ててそのバケツをコータローに渡すと、「よごれてなかったー」と言ってまた泣く、というとてつもなく面倒な事態になってしまったので、コータローがついて来た時には忘れずにその一番小さいバケツを渡さなければならないのでした。

そういうことは家でもあって、洗濯物を洗濯機に入れる、というのがコータローの仕事、と本人が思っているらしく、うっかりワタクシが洗濯機に入れてしまった時には、いつまでも大泣きされて困りました。

その後は必ずコータローに一声かけるようにしております。それどころか、本人が「せんたくは?せんたくは?」と何度も確認に来ます。

最近では洗濯せっけんを入れるのも自分でやりたいと思ったらしく(やっかいなことに!)、ワタクシが風呂の残り湯を汲みに風呂場に入った隙にこそっと(でもないのかもしれないけど)、粉せっけんをすくって入れようとしていて、あーこぼすこぼす、とスプーンを取り上げてワタクシが入れたところがこれまた、まずはへの字口、それがみるみる歪んで・・・大泣き。

泣く子と地頭には勝てぬ、と言いますからな。もう一回入れさせる羽目になりました。

この小さいヒトは、大きいヒトのことをよくよく観察していて、自分も同じようにやりたい、やってみよう、といつもいつも願っているのに違いなく、その機会が訪れた暁には、誇らしさでいっぱいになりながらやっているのに違いありません。

それなのに、それをいきなり取り上げられたりすれば、泣いたり怒ったりするのも無理はない、と思います。

そんな小さいヒトを見ていると、自分にもたしかにあった、他のことは何も考えずに対象に集中していた頃の感覚をフト思いだしたりすることがあります。

だから、あー分かるなぁ、その感じ、と思うのです。

だけど、一方では、汚されたくないこぼされたくない、「余計な仕事」を増やしたくない、と思う大きいヒトの自分もいて。

小さいヒトと大きいヒトとの狭間を揺れ動きつつ、バランスを取るのが妙味というもの。

普段の暮らしもなかなか面白いのです。













by sanahefuji | 2015-05-01 12:57 | 家族のこと | Comments(0)

ここは五島列島福江島。「かたし」とは椿の古い呼び名です。2001年にIターンして就農した私たちが週に一度、土曜日だけやっている直売所&飲食店、ときどき居酒屋(居酒屋は予約制)「かたし」(2016年に「木ノ口かたし」に改名)での出来事、五島の暮らしの日常などなど。日本の端っこで繰り広げられる、ささやかな人生劇場を綴っていきます。


by 山﨑早苗