旅をたくさんしよう

おそらく今日には讃岐からの荷物が届き、その中にカメラをつなぐ線が入っていて、写真も載せられるようになると思いますので、先に文章を書いておいて、後で写真を載せることとしましょう。

昨日、太古丸が福江港に入って来た時、海は朝の光が静かに光る凪の海でした。行きは台風の余波で、さざ波が立っている海だったので、帰りはヨカッタなぁ、と思って船が着岸するのを見ていました。
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その時ワタクシは、船を待ちながらまだ読み終えていない幸田文の「台所のおと」という本を読んでいました。

田舎の生活というのは移動手段が車なので、隙間の時間に読書をする、ということがありません。そして、ヒトが少ないから何かの窓口なんかでも本を広げた途端にすぐ呼ばれてしまって全然読むヒマがない、というのも残念なところ。いや、待ち時間が短いというのはいいことなのですが。あ、でも妊娠している時の健診は待つのが長かったなぁ、と今唐突に思い出しましたけど。

それで、昨日みたいに船を待っている時間、というのは貴重です。本が読みたいがためにわざわざ早めに家を出たのです。

短編集を読む時にワタクシは、順番通りに読まないことも多く、題名を見てからなんとなく、どれにしようか、で決めたりします。それもまた楽しい。

で、昨日待っている時に読んだのは、2番目にあった「濃紺」という話。短い話でした。
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奥ゆかしい、淡い恋心を主人公の女のヒトに抱いていた下駄屋の青年が、東京を離れて故郷(くに)に帰る前に、自費で調達したが故にあまり良い材料を使えずに、「くせ」のある材で、しかし丁寧に仕上げた下駄を、その女のヒトに贈ります。

女のヒトは、その下駄を大切に長く履き「もう削る余地のない程に、甲もうすく脚も短くなって」それでも捨てずに「仕舞ってある下駄」を、30年の時を経て、ふとした孫の言葉から思い出して語っていた話なのでした。

人に対しても物に対しても、丁寧で奥ゆかしく、それでいて人を思う気持ちが溢れていて、ああなんていいんだ、こういうの、と、しばし幸田文の文学世界に浸っていたワタクシ。

そして、既に下駄というものが暮らしの中から消えている、ということを思い、一つの物が消えると、それに含まれている知識とか文化が失われるのだな、ということも分かりました。

逆に言えば下駄で暮らしていた頃のヒトビトには、ごく普通のヒトに木の知識や文化があった、ということです。時代の流れとはいえ、こうしていろいろなものが失われていくのは惜しいことです。

余談ですが下駄と言えば、ワタクシは「ゲゲゲの鬼太郎」に憧れるあまり、学校から帰ると家では常に下駄を履いていた時期がありました。下駄の歯が削れて「ちびて」しまうまで、本当によく履いて歩きまわっていたものです。なのでワタクシにとって下駄は大変なつかしく親しいモノであります。

あ、そうか、なのでこの話にこんなにキュンキュンなるのかな?

やはり単細胞です。

そんなこんなしているうちに船からアサ&コータローが降りてきました。

姉を訪ねての二人旅は本当に楽しかったようですよ。

子供だけで遠くにやる、ということに抵抗があるヒトもいるかもしれませんが、子供といっても中学生、しかも3年生ともなれば、もう大人と変わらない、という部分も大きいので、ワタクシなどは経験を積ませた方が良い、と考えています。

もちろん今も昔も、危険なことはいっぱいあるし、普通のヒトに見えて実は危ないヒト、というヒトもいると思います。

しかし、危険を感じたり、直感で「何かヘンだ」と思って近づかないとか、怪しいと思うとかいうことは、実際に多くの経験をしたり、多くの人間と接していなければ分からない、と思うのです。

なので、子供たちにはとにかくいろいろな経験をさせて、人間と触れ、観察できる場所に連れて行くことが大事、とワタクシは思います。子供連れで参加できる飲み会の席など、本当に良い学びの場です。地域の「まっとうな」人間を見て「まっとう」な人間の基準を自分の中に持っていれば、それを外れたヒトに違和感を感じる、ということもあると思うんです。

学校の勉強も大切ですが、自然から学ぶことも多いだろうし、地域のヒトビトから学ぶことも膨大です。人間の友達のみならず書物も良い友達です。ワタクシ自身、今でもそのように沢山のことを各方面から学んでいる途中なのですから子供たちならなおのことです。

生きているものは常に各方面からの栄養をもらって育つもの、と思います。

まぁしかし、無事に帰ってきてヨカッタな、と思います。

これでもなかなか心配症、なのですよ(ホントか?!)。

旅はいいですね。

ワタクシもまたいつか旅に出たい、と子供たちの土産話を聞いていて思いました。

本当のお土産は荷物の中なんだそうですよ。

今日、届くかなぁ。




追記

届きました!
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by sanahefuji | 2018-08-31 05:37 | 雑記 | Comments(0)