優しい花 優しい人

ネムノキの花については時々日記に書いていますが、この花は本来、梅雨時期に咲く花です。わが「うとん山農場」にはネムノキがたくさんあって、これは梅雨時期に忙し過ぎたり天気が悪かったりして、注意力が散漫になるワタクシに、いつも優しく注意喚起をしてくれる花ということは以前書いた通りです。

そのネムノキの花が、今年は今もまだ咲いています。

何故かと言うと、7月の初めにひどい台風が来て、このネムノキの花がちょうど満開の頃に、ことごとく全部吹き飛ばされてしまったことから、ネムノキたちはガンバッテ、8月にもう一度花を咲かせて今に至る、というわけです。

今時期にネムノキの花、というのがワタクシにはどうにも落ち着かなくてたまりません。

だいたい人間の感覚というのは、自然に対して保守的なものです。

おそらく幼少期に自分の中に刻まれた季節感と違うものを見ると落ち着かなくなる、というか、何かソワソワザワザワする、というか。

今住んでいる地域の道沿いに、河津桜という2月頃に満開になる桜が10数年前に植樹されたのですが、ワタクシはこの桜が咲くたびに落ち着かなくて困ります。

寒空に咲く濃い色の桜を見るたびに、2月に桜は咲かないんだけどな、なんかおかしい、今時期に桜はないはずなんだから、というように、何かどうにも違和感があって、困ってしまうのです。まぁこれは性格のモンダイかもしれませんが。

なので、9月になってもなお咲いているネムノキの花というのを見るたびに、何か緊張する、というかドキドキとしてしまうというか、これは再びワタクシに何かを言わんとしているのではないか、と勘繰ったりする。

しかも、今時期に花盛りを迎えるクサギと同列に咲いていたりするので、もうこれは違和感の極みで、こんなハズはない!とすら思う。車を運転しながら毎日通る道沿いにその二つがあるのだから、ワタクシは毎日そう思う。

やはり各々がふさわしい時期に咲いてくれないと、ワタクシはどうにも心がざわつくのです。

しかしやっぱりネムノキは優しい花。優し過ぎる花。なので、落ち着かない思いをしながらも、やはり毎日見てしまう。本当にどうして今年は2回も咲いたのかなぁ?と思いながら。今この季節に見られるなんて果報なこと、とだけ思っていればいいのにね。

ここの場所のこの木、この花、毎日通る場所の同じ花でも、年によって、自分の状況によって、その木その花の発するもの、迫ってくるものが違います。

あの時の桜、今年のネムノキ、などなどというように、住む年月を重ねるごとに、ありふれた風景が自分の歴史のようになっていくのが、面白い、と思います。

子供の頃から住んでいるヒトなら、なおのことですね。

本当になんでもないありふれた風景が、そこに住むヒトビトにとっては、かけがえのないものです。そういうことの重要さ、意外と見落とされがちなことではないかな、と思ったりしています。



ネムノキの花のように優しい人が時々います。ワタクシは随分とそういうヒトビトに助けられています。本当にありがたいことです。

自分もいつか、そんな優しい人になれるといいなぁ、と思うのですが、それはなかなか難しい。ネムノキの花をこんなに長いこと、毎日見ていても、それはなかなか難しい。

ネムノキの花でなくてもいいから、いつかきっと、自分らしい何かの花になりたいな。




























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by sanahefuji | 2018-09-10 07:26 | 雑記 | Comments(0)