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夏休みの宿題 毎日農業記録賞のご報告

本日の毎日新聞に結果が発表されますので、ようやく皆さまにご報告することが出来ます。

農業の行政の方がうちにいらっしゃって、この「毎日農業記録賞」を書きませんか、とおっしゃったのが8月初めのこと。8年前もそうでしたが「書きます書きます」と即答。

五島に来てからというもの、頼まれたことは全て引き受ける、という姿勢を貫いてまいりましたが、ことに文章に関しては、苦手なことばかりのワタクシの中では殆ど唯一の得意分野でありますから、もうヨロコンデ引き受けちゃうのですよ。

が、しかし、期限は決まっているし、決してヒマではないワタクシ、今回もおそらく丸3日くらいは、ワタクシの書斎にもなる「木ノ口かたし」の屋根裏部屋で七転八倒した、と思います。とりわけ、その夏の時期には、抱えていることが他にもいろいろあったのでね。

で、結果はどうだったか、って。もったいぶらずに早く言え、っての。

実は、またまた賞を頂きました。それも、前回が奨励賞という、ほんの端っこの賞だったとすれば、この度はですね、なんと最優秀賞、などという、身に余る大きな賞を頂きましたのです。

ヤッター!

と素直にヨロコビましょう。

何故なら、ワタクシは、この賞というよりは、ウム、正直に白状しましょう、この最優秀賞についてくる賞金30万円が何が何でも欲しかったのです。

それには、わが家ならではの理由がありまして。まぁ聞いて下さいな。

今年の春に、わが家では大学、中学、小学、と3つの入学が重なって、それはそれはもうタイヘンで。とくに大学に進学となると、引っ越しもしなければならないし、で、ものすごい額のお金が必要で、実は入学金までは払うことが出来ずに、猶予の申請をしておったわけですね。

授業料の免除は親の経済状況+本人の成績で、割とすんなり通りましたけれど、イマドキはどこの大学もキビシイのか、この入学金の免除申請というのは、一家の世帯主が亡くなったり、大きな災害を受けたりした学生しか受け付けません、などと言って、申請させてももらえず、そうすると貧しいワタクシたちだって、どうしたって払わないといけません。

その額、28万2000円也!

これを今年度中に絶対に払わねばならぬ、というわけで、ワタクシが目をつけたのが、この賞金30万円、というわけですだ。

絶対に絶対に頂きますよ、と闘志を燃やしておったのは、ひっそり隠しておりましたけれどもね、この得意分野で勝負しなければいつ勝負するのじゃ、という思いはあったわけです。コツコツと節約をして貯めよう、などと堅気の考えではなく、ここで一発当てよう、などと考えるところが寅次郎の寅次郎たる所以です。

いや、堅実に貯めよう、という考えはもちろんありますのですがね、数百円単位のものをチマチマ売っていても、なかなかそんなお金は貯まりませんのでね、とにかくもう必死だったわけです。

まぁしかし、必死になっただけではダメで、やはり、積み重ね、ということもある、と思います。

ワタクシが、このブログを始めたのが奇しくも、前の奨励賞をいただいた2010年なのですが、それから8年の間、ワタクシは殆ど毎日のように、この場に日々の「記録」をしていたわけです。

それは、たいしたこともない、ただの駄文ではありますが、記録をつけ続けていたのは間違いない。その積み重ねがあるから、はい、原稿用紙8枚書いてね、と言われた時に、ハイ書きます、と言って、ほんの少しばかりは、ヒトさまに伝わる文章が書けたのかもしれない、という思いはあるのです。

だから、賞金は抜きにしても、やっぱり嬉しいです。

こんなちっぽけな農業や暮らしの記録が、御大層な賞をいただいたこと、ホントにホントに嬉しいです。

それもこれも、支えて下さった皆さまのおかげです。

とりわけ、いつも読んで下さっている皆さまのおかげです。

本当に本当にありがとうございます。

常々「ぼっとん便所ブログ」と称しているこのブログ。「ぼっとん便所」の中身が、こんなふうに、時には何かの役に立つ堆肥になったりもするのかもしれない、と思うと、くだらないこともグダグダとした気持ちも何もかも、記録していくことに意味があるのも、と思ったワタクシは、調子に乗ってこれからもますます書きますよ~。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
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今朝はメデタイ気持ちを表すべく、今年とれた餅米で初おこわ!








Commented by 山田貴己 at 2018-11-11 20:29 x
おめでとうございます。毎日新聞を会社で朝開いて、懐かしいお顔。しかも最優秀賞。おもわずコピーして個人的に永久保存としました。早苗さん、英司ばん、こどもたち、まわりで支えてきた人々の五島でのこれまでの歩みが、ひとつ評価されたのだと思います。当然の評価だと私は思います。諫早で乾杯しときます。なにより賞金ゲット、誠に喜ばしい。
Commented by sanahefuji at 2018-11-12 05:38
ありがとうございます!
そんなに喜んでいただけて、私も嬉しいです。でも、出来れば私は山田さんに取材してもらって記事を書いて欲しかったです。新聞社が違うから無理ですけど(笑)。
「かたし」が始まった時の記事、私も永久保存にしてますよ!
Commented by 山田貴己 at 2018-11-12 22:12 x
何度もすみません。スタートのときの記事のことが書いてあったので、データベースで見てみました。当時の新聞はまだ署名記事ではなかったですね。みんな、若い! 麻ちゃん2歳! 収穫祭でみんなで飲んでる途中で写真撮りましたね。店の木造の感じを出したくて下から天井を入れ、奥で飲んでる雰囲気も入れて撮ったことを思い出しました。あれから13年、みんな少しずつ年齢を重ねながら、それぞれの人生劇場は続きます。
Commented by sanahefuji at 2018-11-13 23:45
あの写真、ハルさんが「足が長く見える」って、すごく気に入ってたんですよ(笑)。

里はおなかにいましたね。「かたし」誕生から一か月遅れて誕生した里でした。

今日、2日遅れの誕生会をしましたよ。13歳!
by sanahefuji | 2018-11-08 06:58 | 雑記 | Comments(4)

ここは五島列島福江島。「かたし」とは椿の古い呼び名です。2001年にIターンして就農した私たちが週に一度、土曜日だけやっている直売所&飲食店、ときどき居酒屋(居酒屋は予約制)「かたし」(2016年に「木ノ口かたし」に改名)での出来事、五島の暮らしの日常などなど。日本の端っこで繰り広げられる、ささやかな人生劇場を綴っていきます。


by 山﨑早苗