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スイートポテトとファム・ファタール(運命の女)

おはようございます。

ここに弁当云々の記述をしているおかげで、見栄っ張りのワタクシが、ちゃんと弁当が間に合いました、とここに書けるように、と早く起きるようになりまして、弁当もちゃんと間に合ってメデタシメデタシ、ブログって役に立つな、と思っております今日この頃、皆さまいかがお過ごしですか。

それもこれも、読んで下さっている心優しき皆さまのおかげです。ラインやらfacebookやらインスタグラム、あとは何だ?まぁよく分からないながらもSNSやら何やらで忙しいでしょうに、このような、ただダラダラと牛のヨダレ方式に書き綴っている時代遅れのブログに訪れていただきまして、ホントにありがとうございます。

さて昨日は、わが貧弱家庭菜園にチマチマと野菜の苗を植えたり、種をまく準備をしたりしておりましたが、今頃になってようやく収穫できるようになったスナックエンドウを採ってきて弁当の一品にしたり、もはや大きくなることはないだろう、とまで思っていたくらい成長しなかったタマネギの苗がちゃんとタマネギになりつつあったり、サツマイモの苗も少しずつ大きくなってきて、不毛な畑からも一筋の光明を感じる今日この頃、皆さまいかがお過ごしですか、とは、さっき言いましたね。

サツマイモと言えば、昨年わが家のサツマイモは不作でした。というのも、苗を植え付けた後に全く雨が降らなくて、降ったかと思ったら、それが甚大な被害をもたらした台風の時だった、ということで、イモの苗も潮風に当たって、いじけたようになってしまったのです。

それで収穫は前年の半分以下となってました。しかし、今は昔と違ってイモを主食としてませんから、去年のイモがまだ残っています。それは「木ノ口かたし」の屋根裏部屋に保存しているのですが、最近それをとって来ては、サトがスイートポテトを作るのにハマっています。

部活で遅く帰ってきているのに、「今日は学校で宿題をしたからスイートポテト作ろうかな」などと言って、おもむろに作り始めるのです。

こうして何度もスイートポテトを作っているサトですが、そうそう毎日は作れません。それで、スイートポテトがなくなると「あースイートポテト食べたいな。部活から帰って来たらスイートポテトが食べたいんだよな」などと独り言のように言っている。それが、こちらに向かって言っているふうでもなく、ましてや決して「スイートポテト作って」とは言いません。何しろ控え目なサッちゃんですから。

しかし、その何度も何度も呪文のように繰り返される「スイートポテト食べたいな」という言葉が妙に気になって、「ひょっとしてこれは自分が作らなくてはならないのだろうか」という気持ちになってしまい、昨日はワタクシ、夕方になってスイートポテトを作り始めてしまったのです。
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昨日は、うちのイモでなくて、「木ノ口かたし」で売っている濱崎さんの安納芋で作ってみたら好評で、このようにあっという間になくなっております。

しかし、この「スイートポテトの呪文」のようなこと、前にもあったなぁ、と思いました。あれは遠征から帰って来た時のこと、遠征の宿のごはんで出てきた「コロッケが美味しかった」とサトが言うわけです。

「あーコロッケ美味しかったなぁ」と言う。何度も何度も「コロッケ」とこちらに言うわけでなし、あらぬ方向を見て独り言のように。やはり「かーちゃんコロッケ作って」とは決して言わない。何しろ控え目なサッちゃんですから。

しかし、そこでワタクシはまた、そのサトの術中にハマったかのごとく、「これはワタクシはコロッケを作らなくてはならないのではないだろうか」と思って、その残った去年のサツマイモでコロッケを作ったのでした。
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それはとても美味しくて、晩ごはんでたくさん食べて、これは弁当用に残したものですが、ワタクシが殆ど食べないまま、子供たちが全部食べようとしていたので、焦ってしまったワタクシは大人げなく「かーちゃんの分は?」などと言って、最後の一個を半分かじりかけていたものを、かろうじてもらいました。このような場合、正しい母親ならば「いいのいいの、かーちゃんは。お前たちが全部食べなさい」と優しく微笑んで言うのでしょうが、何分ワタクシは正しい母親になることも、「農家の嫁」同様、放棄してしまったので、自分も食べるのです。

それにしてもこのように、決して自分の要求を押しつけることも押し通すこともないのに、結果としては自分の思惑通りにヒトを動かしている、というのは、なかなかのものである、とワタクシは思いましたのです。

そこからもう一歩進めば、もしかするとワタクシが憧れてやまないファム・ファタールつまり「運命の女」の素質があるかもしれないなぁ、などと勝手に夢想する母、これっておかしな発想かしら。

このファム・ファタール(運命の女)というのはですね、19世紀末のヨーロッパで好まれたキーワードだそうなのですが、言葉そのままに、運命的な恋愛の相手、あるいは赤い糸で結ばれた相手、という意味もありますが、さらにそれが「恋心を寄せる男を破滅させるために運命が送り届けたような女」あるいは「どこか危うげで儚げで、男が放っておけず、気付けば男の運命がどんどん狂っている」という存在として、文学や絵画のモチーフとしてもよく登場したんだとか。

いわゆる「魔性の女」というやつですね。単なる運命の赤い糸の相手、というよりは、関わる男の運命を狂わしていく、というのが、芸術作品にはもってこい、だったのでしょうなぁ。うん、当事者の男だったらタイヘンかもしれないけど他人の事ならばそれは確かに面白かろう。そのテーマがヒトビトに好まれるのも分かります。

最近読んだ、とある雑誌に、実在した「運命の女」の記事がありました。それは偉大な作曲家マーラーの妻のアルマ・マーラーという女性。ウィーン一美しいと噂された美貌にくわえ、教養もあり才媛でもある彼女に魅せられ「脳が混乱」し、苦しめられもしたけれど触発された芸術家は多し。それは夫であるマーラーでさえも同じこと、アルマに浮気されて寿命を縮めはしたものの、彼女から受けた喜びと苦しみを糧に何曲もの交響曲を書いたんだそうですよ。

「苦悩と霊感。アルマはその双方を与えることができた、たぐいまれな『運命の女』だったのです。」とその記事は締めくくられておりました。

いやーいいですなぁ、ファム・ファタール。ホント、憧れるわぁ。それはちょうど「素晴らしい作品を遺して早死にする」という芸術家の運命と同じくらい、自分には無い要素だから憧れるのでしょう、きっと。

「どこか儚げで危うくて、男が放っておけない」という点では、なかなか素質があるかもしれないサッちゃん、こうしてスイートポテトあるいはコロッケとつぶやき、母を動かす能力もある。将来、ファム・ファタールになったら、ワタクシがそれを記述して、芸術作品に仕上げようかしら、などと、妄想逞しくしている今日はもう金曜日。

明日は「土曜日開店木ノ口かたし」でございます。

こんな下らないことを書いている場合ではなかったのでした。さて、準備準備。

ではでは皆さま、ごきげんよう。今日も良い一日を。

そして明日は大雨だそうですが、「木ノ口かたし」をどうぞよろしく。


昔好きだったマドンナの、その中でも大好きな曲を聞いて準備、ガンバロウっと。

cherishというのは、辞書で引いてみますと「①(人・動物・物)を(守ろうと)大事にする、慈しむ。②(望み・考え・感情などを)(大切に)心に抱く、持ち続ける」という意味なんだそうですよ。

素敵な言葉ですね。










by sanahefuji | 2019-05-17 10:18 | 雑記 | Comments(0)

ここは五島列島福江島。「かたし」とは椿の古い呼び名です。2001年にIターンして就農した私たちが週に一度、土曜日だけやっている直売所&飲食店、ときどき居酒屋(居酒屋は予約制)「かたし」(2016年に「木ノ口かたし」に改名)での出来事、五島の暮らしの日常などなど。日本の端っこで繰り広げられる、ささやかな人生劇場を綴っていきます。


by 山﨑早苗
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