こんにちは。
早いもので、もう7月。
NHKの朝ドラ「なつぞら」も半分終わりましたね。今回は北海道の十勝が舞台だったので、その風景を見ると、十勝の空気を思い出すのが嬉しくて、熱心に見ていたのですが、主人公の「なつ」が東京に行ってしまってからは、北海道の風景が見られなくなってしまったので、やはりそれほど熱心には見なくなってしまっていたのです。
でも今朝の「なつぞら」に、一瞬だけ出てきた十勝の「なつ」の家の外の風景の光の加減に、「あっ、この季節、分かる、この空気、覚えてる!」と思いました。
そして、胸がぞわぞわとして、思わずその場にうずくまってしまいたくなるくらいの、懐かしさを覚えました。
でも、もう大丈夫だ、とも思いました。
繰り返しになりますが、ワタクシにとって北海道というのは特別な土地でありまして、中学生の頃から思い続けて恋い焦がれて憧れて、いつか絶対に行くんだと心に誓い、そして帯広畜産大学に進学することによって実際に住むことが出来たのですが、住んでみたらばそれは思っていた以上に魅力にあふれる土地であり、ヒトも食べ物も気候も風景も何もかもが大好きで、嫌いなところなんか一つもなかった土地なのです。
それなのに、それなのに。
ワタクシは「ここじゃない」と感じてしまったのです。
自分が住むところはここじゃない、自分がやりたいことはここではできない、と。
どうしてなんだろう。あんなに好きだったのに。
後から理由はつけられても、その時の感覚というのは、何も説明できません。
それから、住む場所を探し求めていた時に、いろいろな偶然が重なって、五島の福江市での農業研修制度を知って、その問い合わせをしていた時のこと、それもここにももう書きまして、繰り返しですけれどもう一度書きましょう。
ワタクシは一度も行ったこともない、そして何事にも疎いワタクシですから、情報収集も事前の下調べも何もしていないし、ホントにホントに何も見たこともなければ、何も知りもしなかった五島の福江島、その海の風景、というのが頭の中に浮かんだのです。
そして「あ、わたしはここに行くんだな。」と感じたのでした。
昨日の話ではないけれど、縁というのは本当に不思議。
因縁、という言葉もあって、前世の何がどうなったからとか、いろいろ言われますけれど、それは本当に理屈では説明がつかないことだから、そんなふうに解釈するしか、ないのでしょうね。
まぁそれで、五島にやって来たわけなのですが、実を言えば、ワタクシはついつい最近までずっと、北海道に対する未練がありました。
親しい友人たちの殆どが北海道に残っているし、何しろあれほど大好きだった土地なのですから。それぞれ、別々のところにいるとは言え、道内にいる友たちが時々、無性に羨ましかったのです。
でもその羨ましさ、というのが、ここ1年くらいの間に完全に消えました。
自分の感覚、というのが本当に正しかったのだ、ということが分かったし、すとんと腑に落ちたのです。
北海道よりも、五島が好き。
ここが一番大好きな場所。
そんなふうに思うようになったのです。
だから、もう北海道に行っても、大丈夫だなぁって、今朝、「なつぞら」を見て思いました。
今年あたり、行こうかな。
北海道。
そんなふうに思えるようになるまで、20年もかかってしまったわ。
ホントにいろいろ、遅いのです。